読書感想「月は幽咽のデバイス」・・・

市ケ谷で お昼の後の 眠たさよ 耐え切ることの 難しきかな


月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

Vシリーズの第3弾。
今回の阿漕荘のしこちゃんとれんちゃんのテンションは素晴らしかった。
語尾に「なり」がつくとどうしてもコロ助に感じてしまうの仕方がないのか?
前の巻では「新しい耳買うてきい」発言の次は「この子はいらん子です」発言。
しこちゃんレベル高ー!!
最後の方は間違いなく主役はれんちゃんだよ。
かっこよすぎ!!
解説でも書いてあったけど、これがキャラ萌ってやつなんですかね。
まあ、れんちゃんは恰好は女の子でも中身は男の子だけどね。
そういや零崎シリーズで零崎曲識が「勘違いしないでよね」がツンデレだと変換すると小学生のいじめが微笑ましくなるって書いてあったけど、やっぱいう人によるよね。
紅子が言うのを聞くと絶対ツンデレではないと思う。


今回の教訓はミステリーだからと言って何でもかんでも現状に理由はないって話。
世の中そういうもんだよね。
今日食べた夕飯は食べなきゃいけなかった(理由があった)わけでもなく、ただ何となくだったりするし。
だから、密室だったにしろ、ガラスの破片があったにしろ、そこに必ず意味があるわけじゃないってこと。
だけど、ミステリーだから読者は必ずそこに無理やり意味づけをする。
そこが事件解決のヒントだと思い込んで。
実際そんなことねーよ!!って作者にあしらわれる。
先入観って怖いわー。


今回わからない謎は紅子の息子・通称へっ君がわからないと言っていた現象。
(化学・物理学に詳しい人は教えてくれー)
まずはじめに・・・
水をストローやホースなどで上へ送るのは水圧と空気圧の関係上10mくらいが限界らしい。
ここで、木は水を根から吸って全体へと供給する。
木によっては10m以上のものもある。
じゃあ、10m以上の木はなぜ全体に(10m以上の位置へ)水をあげることができるのか?ということ。
言われてみると確かになんでだろう?って感じる。
ネットで調べたけど、うまい答えが見つからなかったんだよねー。
不思議不思議。


お気に入りの台詞
紫「けっこうけっこう。下敷きなくても礼儀あり、ってな。
  机が凸凹だと、下敷きないとちょいと辛いもんがあるけど。
  テストんとき、鉛筆で紙に穴が開きまくりってこと、あらへなんだ?」


保「十というのは、もともと大してきりの良い数ではない。
  十二などに比べれば、その差は歴然である。
  たまたま、人類の指の数と同じだったばかりに、世の中にこれほど君臨することになったのだ。
  いわば、成り上がりものの数字である」


練「しこさん、全然見てないじゃん。死体はちゃんと手足もあったし、ばらばらなんかじゃないよ。
  うんと……、ただね、なんか部屋中の床に血がべたべたについてたけど……」
紫「女の人やったっけ?」
練「うん
  当たり前でしょう」
紫「ほう……、君は偉いな。動体視力が優れてるんやね」
練「動いてない動いてない」


練「では、しこさんの名推理を、どうぞ」
紫「うん、おそらく……
  透明人間がいるんよ。私さっき、庭で話しかけられたもん」
練「ああ、ごめんなさい、皆さん
  失礼しました。ただ今のは、放送できません。
  一部に不適切な差別的表現が使われていました。
  深くお詫びします」


紅「意見というのはすべて個人的なものです」


練「そうか、世の中、結局はケーキなんだなあ」




今日の独り言
「給付金を配ったところで、絶対に親に持っていかれるんだろうなぁ。」