読書感想「化物語(上)」・・・

化物語(上) (講談社BOX)

化物語(上) (講談社BOX)


来年4月からシャフトにて西尾維新初のアニメ化作品。
ここまでアニメ化されることを拒否られる作者もいないのではないでしょうか。
まだどうなるかわからないけど、かなり映像化が難しいんじゃねえって作品です。
作者自身が明言するように200%趣味で書かれています。
彼がもっとも得意とする言葉遊び全開です。
だから読んでいくとかなり西尾が好きな人はのめり込むのではないでしょうか?


内容としては体重を無くした少女・戦場ヶ原ひたぎに出会った阿良々木暦が繰りなす痛快劇!?かな・・・
正直どんな内容か説明できねぇ。
とりあえず彼らの馬鹿な掛け合いが最高すぎる!!
例えば・・・
「本当になんでもいいわよ。どんな願いでも一つだけ叶えてあげる。
 世界征服でも、永遠の命でも、これから地球にやってくるサイヤ人を倒してほしいでも」
「お前はシェンロンをも超える力を持っているというのか!?」
「当たり前よ」
肯定しやがった。
とか・・・


「そう。阿良々木くんはシスコンではないと。実の妹を好きになったりはしないと」
「するか」
「そうよね。阿良々木くん、ソロコンっぽいもの」
ソロコン?
聞き慣れない言葉だった。
「ソロレート婚の略よ。姉妹逆縁婚と言って、奥さんが死んだあと、奥さんの姉だったり、妹だったりと結婚することを言うの」
「・・・相変わらずの博識には相変わらずの感心をするばかりだが、どうして僕がそのソロレートとやらになるんだ?」
「阿良々木くんの場合は、姉ではなく妹ね。つまり、血の繋がらない女の子にまずは『お義兄ちゃん』と呼ばせておいて、その後その女の子と結婚・・・夫婦になっても『お義兄ちゃん』と呼ばせ続ける、これぞ本当、本来の意味での現実的な――」
「僕、絶対、最初の奥さん殺してるじゃん!」
突っ込み担当としては本来許されることではなかったが、戦場ヶ原の発言が完全に終わる前に、リアクションを取ってしまった。
「で、ソロコンの阿良々木くん――」
「シスコンで呼んでくださいお願いします!」
「実の妹を好きになったりしないというから」
「義理の妹を好きになったりもしない!」
「では、義理の恋人を好きになるのかしら」
「だから・・・え?義理で恋人ができるのか?」
とか・・・



この阿良々木の突っ込み能力は知ってる限りでは最強だな(笑)
今まであった突っ込み系の人たちでもここまで出来る人はいないな。
ただ突っ込むだけではなく、引きながらの突っ込みもできる。
自虐的な感じで。
それがすげぇツボ。
あと、作者の趣味か、会話内容の半分くらいがエロス方面にいってる気がする・・・
「私の覚悟は本物だぞ。阿良々木先輩が求めるなら、いつでもどこでも、阿良々木先輩の攻めを受け切るつもりはある」
「攻め!?受け!?なんで僕がそんなもんを求めなくちゃならないんだ!?」
「ん?ああ、そうか。阿良々木先輩はBLの素養がないのか。意外だな」
「後輩の女子とBLの話とかしたくねえよ!」
「ん?BLとはボーイズラブの略だぞ?」
「知っている!そこで勘違いはしていない!」
ああ、気付いてはいたさ。
神原の部屋を片付けたとき、散らかってる書籍の中に、いかにもそういうジャンルの表紙のものが大量に混じっていたことくらいは!
でも、敢えて触れなかったのに!
見なかったことにしたのに!
「勘違いはしてはいないのか。反応からしててっきりそうだと思ったのに。ならば、阿良々木先輩は今、一体全体何に怒っているのだろう?私は阿良々木先輩の気分を害するようなことを言ったつもりはなかったのだが、ひょっとして、阿良々木先輩は受けなのか?」
「この話はもう終わりだ!」
「私はネコだから、攻めにはなれない」
「ん・・・・・・?え、わからなくなったぞ?」
猫?
踏み込んではならない領域に入ってないか。
薄氷を踏むような会話をしている気がする。
「大体、神原、男と女でどうしてBLを演じなくちゃいけないんだ。全くと言っていいほど必然性がないだろうが」
「しかしな、阿良々木先輩。私は、処女は戦場ヶ原先輩に捧げたいと――」
「聞きたくねぇ!」
薄氷は割れて、会話は水没した!



戯言で例えるなら・・・
阿良々木暦・・・いーたん&零崎人識
戦場ヶ原ひたぎ・・・姫奈真姫&玖渚友
千石 撫子・・・紫木一姫
神原 駿河・・・春日井春日
羽川 翼・・・浅野みいこ
かなぁ〜。


まだ上巻までしか読んでないけど、西尾の人間性がこんな感じなんだってわかった気がしたです。
早く傷物語偽物語も読んでみたいな。


お気に入りの台詞
「失敬ね。ちょっと○○を○○して○○させてもらおうと思っていただけよ」
「○○には何が入るんだ!?」
「あんなことやこんなこともしてみたかったわね」
「傍線部の意味を答えろ!」


「ずっと一人でいると、自分が特別なんじゃないかって思っちゃうわよね。
 一人でいると、確かに、その他大勢にはならないもの。
 でも、それはなれないだけ。
 笑っちゃうわ。」


「それにしても、見蕩れるの蕩れるって、すごい言葉よね。
 知ってる?
 草冠に湯って書くのよ。
 私の中では、草冠に明るいの、萌えのさらに一段階上を行く、次世代を担うセンシティブな言葉として、期待が集まっているわ。
 メイド蕩れー、とか、猫耳蕩れー、とか、そんなこと言っちゃったりして」


「いいこと? もしも私から一分おきに連絡がなかったら、五千人のむくつけき仲間が、あなたの家族を襲撃することになっているわ」
「大丈夫だって……余計な心配するな」
「一分あればこと足りると言うの!?」
「僕はどこかのボクサーかよ」


「遠回しな言い方ではわからなかったかしら? 
 じゃあ具体的に言うわ。
 もしも阿良々木くんが下劣な本性を剥き出しにして私を強姦したら、私はどんな手段を行使してでも、あなたにボーイズラブな仕返しをしてみせるわ」


「この程度の事態、わたしは全く平気ですっ! この程度の困りごとには、馴れっこなんですっ! 
 わたしにとってはとっても普通のことですっ! 
 わたし、トラベルメイカーですからっ!」
「旅行代理店勤務だと!? その歳でか!?」


「ええ。阿良々木くん、その程度の熟語も読めないの?そんな学力で、よく幼稚園を卒園できたわね」
「幼稚園くらいは目隠ししてても卒園できるわ!」
「それはいくらなんでも自分を高く評価し過ぎだわ」
「突っ込みに駄目出しが入った!?」



「きみが勝手に一人で助かるだけだよ、お嬢ちゃん」



今日の独り言
はてなダイアリーに『蕩れ』が載ってる!!しかも結構使われてる!!!し、新時代が来た!?」