読書感想「封印再度」・・・

封印再度 (講談社文庫)

封印再度 (講談社文庫)


犀川&萌絵のS&Mシリーズ第5弾。
今回はかなりタイトルがお気に入り。
英語版は「who inside」。お分かりの通り、発音が同じです。
もちろん意味もしっかりと追っていて、なんか西尾維新を連想します。(シニイズム≠死に沈むみたいな)
この作品は個人的にミステリーではないです。
ぶっちゃけ犀川と萌絵とのやり取りを書くために用意されたフィールドです。
密室トリックやテーマの鍵が入った壺の謎は置いておいてかまいません。
この2人から目を離すなっ!!って感じです。
取り合えず、この作品を読んでて考えなければいけないのは「ごちそうさま」
この一言に尽きる。
物語中盤に登場するこの言葉の真相をみんなで解き明かすんだ!!
しかもいってる人はあの「国枝助手」である。
つまり最重要キーワードだ!!
ぜひともこの真相を突き詰めてもらいたい。


まあまじめな話、かなり専門的な知識がなければこの事件を解き明かすのは難しいかもしれない。
ただ、理系としての知識を問われる場面は読んでいて「そうなんだ!!」と驚かされる。
まったくこの作者はどこでこういった知識を手にしてくるんだろう・・・
とりあえず、犀川先生もいうように事の真相に「怒っちゃ駄目だよ」



お気に入りの台詞
犀「だいたい、ファッションというものは、人を騙すのが目的だ」


犀「日本の美は、だいたいその七五三のバランスだ。シンメトリィではない。バランスを崩すところに美がある。もっと崇高なバランスがある」


いつだって、病院のドアほど、嫌な音のするドアは他にない。



犀「歴史に残る建築物は、人が生きるための必然性から造られたものではありません。例外なく、無駄なものです。」
綾「贅沢と言う意味ですか?」
犀「いいえ、贅沢は、人の生にもっと近い…」
 


犀「我慢というのはですね、そもそも個人の能力ではありません。単なる現象なんです」



萌「私なんか、『概念』という言葉の概念がわかったの、つい最近です」
犀「そう、『概念』という言葉も、難しいね。意味がちょっと説明できない」



今日の独り言
「秋生さんの“Like a FIREBOLL”に吹いた!!」