読書感想「夏のレプリカ」・・・

今日のジェフ対レッズ戦の深井のゴールはきれいだったな。
あれがいつでもできれば間違いなく代表に選ばれるはず!!


夏のレプリカ (講談社文庫)

夏のレプリカ (講談社文庫)

今回のテーマは“認識”かな。
自分の持っている認識が崩れたとき、それを正しく補正することは難しい。
苦手意識を持っているものに対して、なかなか苦手意識を克服することができないように。


今回は始め、萌絵の親友である杜萌視点で話が始まる。
前の時にも言ったが、「幻惑の死と使途」とは同時系列となっていて、こちらはすべて偶数章となっている。
この話のすごいところはまさに森マジック。
いや、今回のトリックがすごいとかじゃないですよ?
森の書き方がすごい。
伏線がいろいろちりばめられているのに、答えに到着できない罠。
読み返してみると、あちこちに答の断片が転がっている。
そしてこれらすべてがテーマに帰結する。
あー、なんかもういい感じの爽快感でだまされたぜ!!
次巻は帯に「シリーズ最高の呼び声が高い!!」って書いてあったからかなり期待しちゃうぜ!!



お気に入りの台詞
杜「たとえば、『子供に夢を与える』と言いながら、本当に夢を見る者を徹底的に排斥しようとする社会。
  集団はいったい何を恐れているのだろう。多くの大人たちはおびえて何もできない
  ……
  それなのに、子供には挑戦させようとする。
  自分たちにはとうてい消化できないものを子供たちに与えている。
  こんな動物がほかにいるだろうか?」


犯「無関心は、犯罪よりも卑劣だ」


杜「服装なんて単なる可視光線シールドだ。」


犀「チャオ」
萌「何ですか?チャオって」
犀「さようなら」


睦「ゴルフというのは、あらゆるスポーツの中で唯一、審判のいない競技ですね。」


萌「どうして回り道をさせるのだろう?
  目的、オブジェクトではなく、プロセス、そしてプロシジャがつまりは人生なのか。」


杜「人の名前に刻まれたものは簡単には消えない。
  それはだぶん、それぞれの個人の中で、自分の価値観を守ろうとする保守的な力が働くためである。
  精神のバランスを保とうとする防御活動であり、変化を嫌う慣性運動なのだろう。
  自分を保持するために、他人の概念が鈍化する。
  余程のことがあって、実体とのギャップがある程度大きくなるまで、ぎりぎりになるまで、防衛し続ける。」


犀「ある意味では、そうかな・・・」
萌「ある意味って、どんな意味です?」
犀「便利な言葉だろう?
  意味がないときに、使うんだよ。ある意味では、ってね」


犀「色彩は絶対的な概念ではないからね。
  物体が持つ性質でもないし、観察者の極めて主観的な評価にすぎない。
  つまり、普遍的でもない。
  だから、その一瞬でしか評価できないわけだし、好きとか、嫌いとか言ったとたんに、無意味になるよ」


萌「×××が・・・・・・、殺したのね」



今日の独り言
「来年からサッカーの応援に月1で行こうかな?」