読書感想「四季 春」・・・

あー、天才とバカは紙一重っていうけど、体感する感じは似てても、実際は全然紙一重じゃないんじゃないかな?

四季 春 (講談社文庫)

四季 春 (講談社文庫)

四季シリーズの1作目・春。
作者いわく、どの作品から読んでもいいとのことだが、ぶっちゃけこれはもう少し後で読みたかった。
ちょこちょこネタバレ的な話が・・・
それといきなりこれを読むと主人公の異常性が飲み込めないのでは?
すべてがFになる」を読んでいれば、『真賀田四季は天才の中の天才だから仕方がない』という感覚で読めるが、そう思えないと結構きつい気がする。
こんな小学生いねーよって感じで。


中身としては少し「すべてが〜」と絡んでいる。
作品中で同居している栗本基志雄が登場する。
そのほか、Vシリーズからの面子もちらほら。


この作品はかなり内容に惑わされる部分がある。
あれ?こいつ何でこんなとこに・・・
ってな感じに、登場人物の把握が大変。
ただ、そこが理解できるであろう中盤以降はなるほどーって感じに。
「すべてが〜」では超人的天才であるように感じるが、この作品ではまだ幼さが垣間見る。
誰だって幼少時代、未熟な時代がある。
ただ、この人物はそれが異常に短いというだけ。
誰にでもそういう瞬間がある。


四季シリーズはひとまず置いておいて、Vシリーズを完結させた方がよさそうだな。


お気に入りの台詞
四「消えようと思えば、いつでも消えられます。
  けれど、元に戻ることはできない。
  生きている方が、ポテンシャルは高い」


四「時間は、思考を合理化することで、より有効に使うことができます。
  長く生きたいならば、ある程度の財力があれば時間が買える」


四「過小に評価されることは、安全側です」



僕「世の中、どうしてこんな善意に満ちているのだろう」
四「そう見える、そう見ようとする善意があるからじゃないかしら」
四「排気ガスや煙突から立ち上がる蒸気が、勢いのあるものに見えた時代もあったでしょう」


四「生きていることが、どれだけ、私たちの重荷になっているか、
  どれだけ、自由を束縛しているか、わかっている?」
僕「生きていることが、自由を束縛している?それは、逆なんじゃない?」
四「いいえ。生きなければならない、という思い込みが、人間の自由を奪っている根元です」
僕「でも、死んでしまったら、なにもない。自由も何もないじゃないか」
四「そう思う?」
僕「だって、それは常識だろう?」
四「常識だと思う?」


今日の独り言
カタール戦はいい内容だったけど、致命的なミスも数回あったことを反省しなければならない」